日本人よ、これがフィリピンだ。『フィリピン人は銀行口座を持っていない!?』
フィリピン人スタッフに銀行のことを聞いても無駄だ。
なぜなら、
口座を持っていない
のでそもそもよく分かってない。
気休めに聞いても何も解決できないし、
聞いたこちらが混乱してきて、
ドンドン不安になってくるのだ。
Facebookにたまに投稿して共感と同情を生んでいるコメントについてブログ版では詳細を解説したいと思います。
解説
フィリピン人の銀行口座保有率は日本人がびっくりするほど低い。
少し古いデータですが、31%だとか。
個人的な感覚ではもっと少ない気がしないでもないけど・・・
なお、弊社のフィリピン人は誰も持っていない・・・
フィリピン人が口座を持っていない(持てない)理由は、
口座を維持するデポジット(最低預金額)をキープできないからだ。
日本人からすると「なにそのデポジット?」って感じだけど、口座維持にも金がかかるからいくらか入れておけ、って感じなんだと思う。
デポジット金額は銀行によっても違うし、Passbook(通帳)を作るか作らないかでも若干違うけど・・・
日本円で数千円程度。
これが維持できない!
なお、最低預金額を下回ると、各金融機関の規定に従って、デポジットからペナルティとしていくらか引かれていきます。
で、最後には使えなくなります・・・
もちろん、最低預金額まで預金額を戻せば問題ありません。
じゃあ、給料はどうするの?
僕もそう思いました・・・
どうやって支払うんだよ!?
って。
で、僕が思うに・・・
- 現金
- 小切手
- ペイカード
というのが一般的なのかなぁ、と。
現金
いわゆる現金支給です。
銀行からお金を引き出して、給与明細と共に手渡しします。
なお、「ありがとうございます!」と大喜びするのかと思うのは、愚かな経営者か経営者になりたてのめでたい人の思考です。
フィリピン人でも日本人でもそんなことでは喜びません。
「もっと金くれ」と常に思われているのです。
手渡しすると、そそくさと明細と給与をチェックして、タガログ語でブツブツ言います…
フィリピンにも所得税や保険にあたるものがあり、結構、差っ引かれます。
それに対する文句をブツブツ言っているのだと思う。
そんなとき、僕は・・・
「是非、あなたのその声を政府に伝えてください」と静かにその光景を眺めます。
小切手
スタッフに小切手を渡して、「自分で換金してこい」というタイプです。
フィリピンの取引はまだまだ小切手が一般的で、法人間の取引でも欠かせません。
また、個人でも家賃の支払いなどは、先日付小切手を利用して、1年分の小切手を渡しちゃいます。
小切手の換金には身分証が必要で、(銀行によって違うと思いますが)日本人の僕は2つの身分証の提示が求められます。
僕はパスポートとフィリピンで発行された外国人雇用許可証(AEP:Alien Employment Permit)などを持っていきます。
以前、小切手での支給を提案したら、
イマイチ反応がよくなかったです・・・
そもそも彼らは一人暮らししている訳でもなく、銀行に行く機会も(日本人に比べ)極端に少ないんだと思います。
なので、
ぶっちゃけよく分かってないんじゃないかな
と。
ペイカード
日本人からすると「なにそれ?」って感じですが・・・
ATMで現金をおろすという機能だけを持ったカードです。
予め給与を入れておけば(チャージする感じ!?)、スタッフはATMで自分が必要なときに現金を手にすることができます。
日本だと銀行のカードとATMは一緒で、振込・支払いとか色々できますが、ペイカードはお金を出すだけというシンプル機能です。
なお、このペイカードを作るにも法人にはデポジット(最低預金額)を求められます・・・
もちろん毎月いくらか支払うという手もありますが、それが嫌ならデポジットを維持しろということです。
ちなみにこのマカティには「コンビニか!」って突っ込みたくなるほどのATMがあり、銀行の数もめちゃくちゃあります。
マカティに来た日本人は「ATMがやたら多い」「スタバがやたら多い」「赤い蜂人間の店がやたら多い」という感想を持つと思います。