昨年、フィリピンに出張でやってきた日本法人スタッフの感想
昨年末、日本法人のスタッフ3名が海外出張ということで、フィリピン法人を訪問してくれました。
約1週間という短い滞在でしたが、彼らが感じたことは、フィリピンを訪問した多くの日本人が感じることだと思ったので、抜粋してシェアしてみます。
※一部、内容で団体や個人が特定できる箇所があったため、修正しております。
・若い
どこに行っても若者が多い。人口はすでに1億人おり、数年で日本の人口を追い越しますが、人口統計表がまさに綺麗なプラミッド型の国です。
つまり同じ1億でも中身がまるで違う。
この印象については、今回の宿泊場所と弊社フィリピンオフィスの所在地がマカティ(ビジネスエリアでフィリピンでは大都会)で、滞在中の活動エリアがその周辺に限られていたこともあると思います。
日本法人のスタッフ以外にも、友人が訪問してくれたり、ご紹介で色んな方を案内していますが、「若い」(老人をあまり見かけない)という感想はよく聞きますね。
はじめてフィリピンを訪問した5年ほど前、僕も同じような感想を持ちました。
当然ですが、人口ピラミッドはいわゆるピラミッド型で日本のそれとは全く違いますよね。
平均余命ってので見てみると、日本とは15年(歳)くらい差があるようです。
ちなみに、以前、死因を調べたことあるんですが、高血圧由来の病気が多かったですね。
フライドチキン大好きな国民ですから、想像通りの結果ですけども・・・
・女性が強い
マニラで開催された日系企業との食事会で他社の話を聞いたのと、自社のフィリピン法人社内での女性アドミン(総務担当)の影響力を見ると、とにかく女性が強い社会です。
熱帯地方特有なのか男性の勤労意欲は低く、管理職に女性が多い。
僕はフィリピンで会社を設立する以前、東南アジアを中心に色んな国を視察して、現地で働く方々(主に経営者やマネージャー)にお話を聞いてきましたが、多くの方が「女性の方が優秀(真面目に働く)」とおっしゃっていました。
正確なエビデンスみたいなのは無いのかもしれませんし、感覚的なものなのかもしれませんけども。
友人の会社でも、「厳しく優秀な女性マネージャーに仕切らせてから、すごくうまくいくようになった」と聞きました。
女性の方が優秀かどうか!?について、
僕の私見では・・・
「人による」って感じでしょうか。
まぁ、これは日本でも全く同じですが。
この感想を持ったスタッフは、フィリピン法人のアドミンを見て特にそう感じたようです。
一番の年長者で社歴がほんの2ヶ月ほどですが他のスタッフよりも長いので、お姉さん的な立場になりますからね。
あと、
言いづらいことは
そのアドミンを通して
僕に言ってきます…
・超格差社会
首都マニラは名古屋よりもさらに近代都市で、活気がある。しかし、車で数キロ離れると半分スラムのような掘っ立て小屋が目立つ。金持ちは日本人より金持ちだが、貧乏人は超貧乏という格差が歴然とある国。学歴と言語力(英語)がないとまともな仕事につけないらしいです。
僕を訪ねてフィリピン(マニラ)に来てくださった方と、よく一緒に行っているのがスラムツアーです。
スタッフももちろんツアーへ強制参加でございます。
多くの方は視察目的でいらっしゃいますが、昼はビジネスエリア中心に回って、夜は繁華街で…というのが定番なんですよね。(というか昼間やることがないw)
それも一側面ですが、もう一方にあるリアルな側面も知ってもらった方が良いかなぁ・・・って感じで、一緒に行っております。
ただ、スラムとは言え、僕ら外国人が勝手に入る訳にはいきません。
身の危険を顧みず…という人は別ですが、大使館とか多くの方に迷惑がかかるのでやめましょう。
スラムはそこに暮らす人達にとっては家であり、プライベートな空間なのでね。
僕が使っているツアーは↓です。
スラムツアー以外にも色んなツアーがありますが、一番人気はスラムツアーとのこと。
スラムの支援団体が運営していて、ツアー料金の(彼ら曰く)100%を何らかの形でスラムに還元しているとのこと。
実際、小さい診療所や学校(公民館みたいな感じ!?)を建てたり、本や長靴、太陽光発電のLEDライトなんかを寄贈しています。
あまりによくツアーを利用するので、
ガイドの方々に顔を覚えられてて、
Hi! It's been a long time!
How have you been?
とか言われます。
なお、フィリピン人でもスラムでの生活について知っている方は少ないとのことで、フィリピン人にももっと見てもらいたいんだってよく言ってます。
ちなみに・・・
何度も行ってますが、
日本人と会ったことはありません。
マラテとかにはいっぱい居るから、なんだか残念なんですけどね・・・(日本人観光客は夜行性なんだよな、きっと)
利用者は、バックパッカーみたいな欧米人カップル、物静かで頭良さそうな中国・マレーシア系の人とかが多いかなぁ。
彼らは社会問題に興味関心がありそうな方々で、ガイドにも熱心に質問する感じですね。
日本発の便で出会う、脂ギッシュでギラギラしたおじさんたちはいません。
このスラムツアーがおすすめな理由は他にもあって、ジプニーやトライシクルといったフィリピン人が利用するローカルの乗り物にも乗れるという点です。
観光客はほとんど乗る機会がありませんから、結構楽しいと思います。
なお、スラムツアーは人によっては結構ショックで精神力と体力を奪われますのでご注意ください。
スタッフの一人はその後の予定をキャンセルして寝込みました・・・ (汗)
・明るく、狡猾
スラムに行ったらとてもひどい生活環境でしだが、バスケに興じたり、盗んだ電気でゲームをしてたりと概して明るい人たちばかりでした。しかし、明るく優しそうな顔をして料金やお釣りをさらちとごまかしたりと狡猾な面もあります。
日本から来た3名は、空港に深夜着の便で着いて、僕と一緒にクーポンタクシー*1でマカティまで移動しました。
この感想を持ったきっかけとして、気の良さそうなドライバーが、しれっとお釣りを着服したのを目撃して驚いたんだと思います。
深夜、到着客で糞混み合うイミグレをようやく抜けて、お疲れのフィリピン初日、空港を出て直ぐですからね(笑)
ドライバー:料金所で先にお金払わないかんねん
僕:そうなんや、ほれ(疑いながらPHP500渡す)
ドライバー:(料金所にて支払いを済まし、車に戻ってくる)
僕:・・・おい、お釣りは?返せや
ドライバー:え、チップですよ、これ ←だとしてもお前が言うな!
こんな国です。
日本からやって来たスタッフには印象的ショックだったのでしょう。
しばらくすると、日常過ぎてなんとも思わなくなります。
ちなみに、料金は、料金所で払う場合と、目的地に到着後、ドライバーに渡す場合があります。
・ドライ&ウェット
アメリカの植民地だった歴史からなのか、仕事については欧米型でドライな感じ。自分の担当範囲は淡々とやるけど、事前にいわれてないことは決してやらない。
しかし、仲間や家族をとても大事にする気風で昔の日本人のようなウェットな側面がある。しかし、会社への帰属意識は低く、会社より家族というのが明確にある。
日本人からすると、「言われたことしかやらない」と評されることが多い部分かも。
僕としては、言われたことをやっているんだから、良いんじゃないかな!?って思うんだけどね。
ところが、
なぜか、日本人は「察しろ」とか、第六感を求めだす。
また、
「言われたことしかやらない」と言う人に限って期待以上のアウトプットを出せなかったりする・・・(T_T)ウゥ
さて、この点については、人や会社にもよるんだろうけど、契約(job descriptionなど)に無いから・・・という意識もあるんだと思う。
逆に言えば、具体的に指示を出せばその通りにやってくれる。
「提案を5つくれ」と言えば、5つ考えてくれる。
なので、それを言わずに「提案数が少ない」と言われても彼らは困っちゃうの。
あとは、単純にワンタスク・ワンパーソンみたいなところがあるのでね。
コンビニでレジ待ちができても、
絶対に
頑なに
手伝わない。
まぁ、あと・・・
一度に、色々言うとパニックになるのよ。
それと、待つことに対して、そんなにイライラしない我慢強い人たちと言えるかも。
でも、平気なんじゃなくて、溜め込んでいることも多いので、仕事する上では注意しないといけない。
「家族を大切に」という点については、日本と比べるとすごいわかりやすい違いかも。
これは・・・
仕事に就ける人が都心部に出てきて稼いで、家計を支える。
その間、子供の面倒は両親や兄弟、つまり家族全員でみるという、フィリピンの生活スタイルってのもあるでしょうけど。
ただ、
「おばあちゃんの誕生日なので有給をとる」とか不思議な事を言い出すことがあるので、要注意。
弊社の雇用契約書のどこを見ても
こんなことは書いてねーよッ!
取り敢えず言ってみよう。
OKされたらラッキーだ。
…というフィリピン人的発想なんだと思います。
↑こういう神経について良いか悪いかは僕にとってどうでもよくて、僕にはイマイチ理解できないので、フィリピン人的発想なんだ、と思うようにしています…
・外から日本を見ると、考え方も変わります。
「外から見る」という経験・体験はすごい大事ですね。
日本は、「日本って素敵でしょ」というTVも多いので、「海外からも凄い国だって思われてるんだ!」って勘違いしちゃうんですよね。
ところが、
COOL JAPANなんて聞いたことないから・・・
もちろん、素晴らしいところはいっぱいありますが、外から見ないと気付けませんよね。
例えば、僕が思う、日本が誇れるもの、
それは・・・
トイレ。
素晴らしくきれいですね、日本のトイレ。
もう、下手すると書斎にしたいレベルだよね。
そして、オーバースペック過ぎる最強の便座。
・フィリピンで感じたことは、メリハリある時間の使い方が生産性を高める(ような気がする)こと。
午前と午後に15分程度のちょっとした休憩があり、昼食は1時間の休憩。
それぞれみっちり取る。
休憩が終わる5分前には部屋に戻って・・・
という感覚はない。
自分が持っている「権利」だから、それを使っているという感覚を自然と持っているのだと思う。
そして・・・
定時になると直ぐに帰る!
とにかく早く帰りたい!
誰かが帰るまで様子を伺う日本とは全く違う。
↑こんなのホントかどうかわかんないけど…
早く帰りたい理由として、きっと、渋滞問題もあると思います。
都心部から彼らが暮らすエリアまで2時間近くかかるスタッフもいますから。
これが渋滞に巻き込まれると、もう悲惨です・・・
暮らすエリアと言っても、実は彼らの田舎(実家)は更に遠くにあることが多くて、都心部に通える場所に暮らす家族や親戚を頼って、国内出稼ぎの如く出てくる人も多いですから。
以上、弊社の日本法人スタッフが感じたフィリピンの印象でした。